内容証明
に関する基礎知識


ここからは内容証明に関する基礎知識をご紹介しています。また、かわせ事務所のピンポイント解説ブログも参考になりますのでご覧ください。




内容証明とは


内容証明とは、内容証明郵便という「手紙の1種」です。通常の手紙では宛先に届いたのかどうかわかりません。書留にすると届いたかどうかはわかりますが、送った手紙の内容は証明できません。


内容証明は配達証明を付けて送付し、いつ、どのような内容の文書を誰から誰宛てに差し出したかに加えて、配達した事実を日本郵便が証明してくれるものです。後日の証拠として利用できることが大きな特徴です。


内容証明は一度差し出すと内容を修正できず、差出しのキャンセルもできません。配達前であれば取戻し請求をすることはできますが、言葉の度が過ぎると、反対に相手方から脅迫や恐喝で訴えられる危険性もあります。そうなると相手方に有利な証拠をわざわざ与えてしまうことになってしまいます。


電子内容証明とは

電子内容証明とは、「e内容証明」の名称で利用できます。ネット上でWORD文書をアップロードして内容証明を送付するものです。インターネット環境があれば自宅からでも事務所からでも24時間送付できます。


また、文字制限も大幅に緩和されています。ご依頼の内容によっては非常に有効になります。相手方に心理的な圧迫を与えるような事案ではない場合に有効です。自宅や職場からでも送付手続きができるのは大きなメリットです。


電子内容証明の作成規定


  1. 文書作成ソフト
    Word 2016・2019・2021・Microsoft 365(デスクトップ版)
  2. 文書指定様式
    日本郵便指定の文書ファイル雛形を使用
  3. 文書枚数
    最大5枚
  4. 文字ポイント
    10.5以上145ポイント以下
  5. 用紙レイアウトA4縦置き・横書き
    用紙の余白上左右の余白が1.5cm以上、下の余白が7cm以上
  6. 文字の種類
    JIS第1・第2水準範囲の文字で外字や図表は使用できません
  7. 文字装飾
    太字、斜体のみ可

受取人の方で「配達証明」を有りにします。受取人へは正本が送付され、配達証明は正本のみに附帯できます。一方、謄本は差出人へ簡易書留で送付され、配達済通知ハガキも差出人へ届きます。


郵便法第四十七条(配達証明)
配達証明の取扱いにおいては、会社において、当該郵便物を配達し、又は交付した事実を証明する。

第四十八条(内容証明)
内容証明の取扱いにおいては、会社において、当該郵便物の内容である文書の内容を証明する。

②前項の取扱いにおいては、郵便認証司による第五十八条第一号の認証を受けるものとする。




内容証明の書き方


内容証明は、どんな用紙でもよいとされていますが、最低でも謄本の保存期間である5年間の耐久性は必要です。縦書きでも横書きでも構いません。


赤色の枠の原稿用紙のような、内容証明専用用紙は縦書きです。当事務所で内容証明を作成する場合はこの様式を使用します。間接的に圧迫できるといえます。


内容証明の書式には定めがあります。一般的な縦書きでは用紙1枚あたり26行以内、1行あたり20文字以内と定められています。


横書きでは、このほか1行13文字以内・40行以内、1行26文字以内・20行以内の形式も認められています。( )や「 」など括弧や句読点も1文字に数えます。複数ページになる場合は契印が必要です。


内容証明を発送する際の必要部数は、相手方送付用、自分の控え用、日本郵便保管用の合計3通必要です。送付用以外はコピーでもよいとされていますが、押印をする場合は、3通ともに押印が必要です。


なお、内容証明の差出人や宛名に関する留意点は以下のとおりです。

  1. 内容証明の宛名
    法人や団体に送付するときの宛名は代表者宛にします。商業登記簿で確認すると間違いがありません
  2. 内容証明の差出人
    法人や団体が送付するときの差出人は代表者等の権限のある者の名前で出します。内容証明を発送するのは差出人以外の人でも構いません
  3. 内容証明の表記を統一する
    本文の住所・氏名の表記と封筒の表記は一言一句同じである必要があります


クーリングオフとは

本来、有効に成立した契約は一方の一方的な都合で解除することはできません。ただし、訪問販売や電話勧誘による販売については、セールスマンによるセールストークによって勢いで契約してしまったり、断ったが帰ろうとしないために渋々契約してしまうこともあります。


不要な契約であることは明確なのに、その場の状況によって契約してしまって後悔することがあります。このような消費者を保護するために特定商取引法では、契約後の一定期間内であれば無条件で契約を解除することができると定められており、これがクーリングオフです。


クーリングオフの解除可能期間は、契約書類を受領した日から起算されますので、受け取った日も1日とカウントします。クーリングオフの意思表示は、消印が解除可能期間内なら、相手方に届くのが期間経過後でもかまいません。


民法では相手方に意思表示が到達したときに効力が発生する「到達主義」を定めていますが、クーリングオフでは例外として、意思表示を発信したときに効力が発生する「発信主義」が採用されています。


解除期間が8日間の取引例

  1. 訪問販売
    印鑑や健康商品を訪問販売する形態。アポセールスやキャッチセールスも含む
  2. 電話勧誘販売
    電話で契約を勧誘する形態
  3. 特定継続的役務提供
    学習塾や家庭教師、エステなど継続したサービスを販売する形態
  4. 訪問購入
    訪問して消費者から品物を買い取る形態


解除期間が20日間の取引例

  1. 連鎖販売取引
    いわゆるマルチ商法
  2. 業務提供誘引販売取引
    いわゆるモニター商法、内職


クーリングオフ対象外の例

  1. 訪問販売ではなく、消費者自身が店舗へ出向いて契約した場合
  2. 通信販売、ネット販売で購入した場合
  3. 現金で3,000円未満の場合
  4. 食品や化粧品など、使用・消耗した部分
  5. 路上での勧誘がきっかけで飲食店など
  6. 自動車、自動車のリースなど


クーリングオフをする場合、契約書や約款など購入したときの書類を確認しましょう。クーリングオフについての通知先や通知方法が記載されている場合があります。そして、契約先へクーリングオフする旨を通知します。


クーリングオフは書面または電磁的記録によって通知することができます。電子メールや事業者のWebフォーム等を利用することもできますが、後日の証拠を残すためには、送信メールやスクリーンショット等を保存しておくことが重要です。書面で通知する場合には、内容証明郵便等を利用する方法があります。


内容証明なら、送付した書類の内容と、お届け日の証明も可能なので、ハガキや手紙に比べてはるかに証拠能力が高いのでおすすめです




内容証明の出し方


内容証明の発送は郵便局で行いますが、内容証明郵便を取り扱っている局へ行きましょう。内容証明を差し出すことができるのは、集配郵便局または日本郵便の支社が指定した郵便局です。


内容証明書3通と、内容証明書に記載したとおりに宛名と送付先を記入した封筒1通を窓口で出します。窓口では、配達証明付き内容証明郵便とお願いしましょう。


局員さんがチェックして、問題が無ければ認証印を押して、封筒と内容証明書の送付用1通を渡されます。封をしてもう一度、窓口に出します。料金を支払って、自分の控え用内容証明を受け取って終了です。


内容証明は一般書留として相手方へ配達されます。配達証明を付けている場合、配達後にハガキのような郵便物配達証明書が差出人へ届きますので、内容証明の控えと一緒に保管しておきましょう。




内容証明を出す前に


内容証明は高い証拠能力がありますが、使い方を誤ると相手方にとって有利な証拠を与えてしまうことになります。つまりいつの間にかこちら側が不利な立場に立たされるのです。


内容証明を出す場合、どんな意思表示を相手方にするのかによって、専門家への相談もしくは依頼がマストになるケースが少なくありません。


例えば、不貞行為の慰謝料を請求する場合に内容証明を利用することは一般的ですが、怒りにまかせて専門家に相談もせずに出してしまい、受領した相手方が弁護士に相談して逆襲される、このようなことは十分に起こりうる話です。


離婚をしたいから別居し、離婚協議の申し入れを内容証明でするケースも、いざ内容証明を出す前に離婚そのものについて法的知識を得ておくことがマストです。