男女問題の書類作成
に関する基礎知識


ここからは男女問題に関する基礎知識をご紹介しています。また、かわせ事務所のピンポイント解説ブログも参考になりますのでご覧ください。




男女関係を解消するときの
書類作成


婚約や内縁の状態ではない、単に交際している男女がその関係を解消するときに作成する書類です。交際しているだけなので、内縁関係解消のように離婚に準じた権利と義務はありません。


作成するのは男女関係解消の合意書

男女関係解消の合意書を作成するケースとしては、関係を解消した後のトラブルを未然に防ぎたいような場合です。当事者双方の合意があれば解決金の支払いも記載します。男女関係解消の合意書に記載する主な条項は以下のとおりですが、当事者の希望により条項を追加することも可能です。


  1. 合意条項
  2. 解決金の支払
  3. 誓約条項
  4. 清算条項




婚約を解消するときの
書類作成


婚約関係にある場合は、結納金や婚約指輪などの金銭・物品の授受がされていることもあり、婚約解消に伴ってこれらの返還や費用負担について取り決めることがあります。


単に交際している場合とは異なり、正当な理由なく婚約を破棄した場合には損害賠償が問題となることもあります。


作成するのは婚約解消の合意書

婚約解消の合意書は、婚約解消後の紛争予防といった目的も含みます。婚約を済ませてある状態での関係解消なので、当事者だけの問題ではなく両家の問題でもあり、より慎重に解決をする必要があるからです。


損害賠償については双方で合意した金額を記載します。損害賠償の内容は慰謝料、婚約指輪代、披露宴関連、新婚旅行キャンセル、同居準備費用などです。


なお、お相手が法律上の婚姻関係にある場合、その婚姻が解消されない限り新たに婚姻することはできないため、通常の婚約とは同じようには扱えません。


一方、相手が独身であると偽っていたなどの事情がある場合には、その行為について不法行為に基づく損害賠償請求が認められる可能性があります。婚約解消の合意書に記載する主な条項は以下のとおりですが、当事者の希望により条項を追加することも可能です。


  1. 合意条項
  2. 結納金の返還
  3. 婚約指輪の返還
  4. 損害賠償
  5. 誓約条項
  6. 清算条項




内縁関係を解消するときの
書類作成


内縁関係とは、婚姻届を提出していないものの、当事者に夫婦として共同生活をする意思があり、社会通念上も夫婦と認められるような共同生活をしている関係です。


内縁関係を解消するときは、法律婚の夫婦が離婚するときに準じて認められる権利と義務を明確にして、これを書面化しておくことは、関係解消後の無用なトラブルを防止するためでもあります。


作成するのは内縁関係解消の合意書

内縁関係の成立について「同居3年以上」などの決まった期間があるわけではありませんが、実務上のひとつの目安として考えることができます。


内縁関係は法律婚に関する定めを一部準用することもあります。よって、内縁関係解消の合意書は、離婚協議書に記載する内容と類似します。


不貞行為やDVが発生した場合は慰謝料請求が認められることもあり、男女問題の中でも法的知識が必要となることが多いです。また、法律婚に準じる保護として財産分与が認められる場合があります。


当事者間に子がいる場合には、認知、親権・監護、養育費、親子交流などについても必要に応じて取り決めます。内縁関係解消の合意書に記載する主な条項は以下のとおりですが、当事者の希望により条項を追加することも可能です。


  1. 同居解消に関する条項
  2. 財産分与
  3. 慰謝料(損害賠償)
  4. 親権者
  5. 養育費
  6. 親子交流
  7. 接触禁止
  8. 口外禁止
  9. 清算条項




不貞行為が発覚したときの
書類作成


不貞行為が発覚した場合に作成する書類です。不貞行為は夫婦間の貞操義務違反に該当する行為です。つまり、被害を被った方には不法行為に基づく損害賠償請求が認められ、この損害賠償金がいわゆる慰謝料です。


不貞行為は不真正連帯債務という関係になり、民法上の連帯債務とは似て非なるものです。この関係性を理解をしていない状態で自力解決をしようとすると、逆襲される恐れがありますので、専門家に相談をすることを強く推奨します。


不貞行為の発覚後、これを原因として離婚する場合としない場合とでは作成する書類が異なり、事案により複数の書類を作成することになります。


離婚する場合に作成するのは
離婚協議書+慰謝料請求(内容証明)

この場合は、まずは離婚についての書面を作成しますが、それが離婚協議書です。離婚成立のあと、不貞行為の相手方に対して慰謝料請求をすることができます。


  1. 夫婦間で作成する書類
    夫婦間で離婚協議書を作成します。離婚協議書については離婚のページをご覧ください。慰謝料のみならず、他にもたくさんある取り決め事項を書類にします
  2. 不貞行為の相手方への書類(請求)
    慰謝料請求は、内容証明ですることを推奨します。相手方が支払拒否や無視をすることも想定されますが、その後に調停や訴訟となった場合、請求をしたことを明確にできるからです。配達証明も利用することで、相手方への配達状況も確認できます


離婚しない場合に作成するのは
不貞行為の誓約書+示談書

この場合は、離婚はせずに夫婦関係を再構築することになるので、不貞行為をした配偶者が誓約書を作成します。そして、不貞行為の相手方に対しては慰謝料請求のみではなく、示談をして、慰謝料よりも重要なことを取り決めた示談書を作成します。


  1. 不貞行為をした配偶者が作成する書類
    不貞行為をした配偶者が、不貞行為の誓約書を作成します。これは、不貞行為を行った配偶者から、もう一方の配偶者へ差し入れる書類です。不貞行為の誓約書に記載する主な条項は、謝罪条項、相手方との関係解消、慰謝料、違約金条項などです。
  2. 不貞行為の相手方と作成する書類
    不貞行為の相手方と不貞行為の示談書を作成します。不貞行為の示談書とは、不貞行為の相手方と示談した内容を書類にしたものですが、一方的な内容になることが多いです。不貞行為の示談書に記載する主な条項は、謝罪条項、関係解消、慰謝料、清算条項などです。


民法
(不法行為による損害賠償)第七百九条 
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。




別居を始めるときの
書類作成


夫婦が別居を開始する際に作成する書類です。夫婦間ではあるものの、きちんと権利と義務を書類にしておくことが重要です。また、離婚へと発展した場合にも意外なところで役に立つことがあり、作成することを推奨します。


作成するのは別居に関する合意書

別居の開始と事実を記載し、状況・内容に応じて条項を増やします。子がいない場合についても、婚姻費用分担については記載します。別居に関する合意書に記載する主な条項は以下のとおりですが、当事者の希望により条項を追加することも可能です。


  1. 別居の合意
  2. 監護権者
  3. 連れ出し禁止
  4. 親子交流
  5. 婚姻費用分担
  6. 接触禁止(DVの場合)
  7. 留意事項


婚姻費用分担とは

婚姻費用分担とは、夫婦がその資産、収入その他一切の事情を考慮して、夫婦や未成熟子の生活費など婚姻生活を維持するために必要な費用を分担することです。子の養育に必要な費用だけを対象とする養育費とは異なり、婚姻費用には配偶者の生活費なども含まれます。


婚姻費用分担の支払終期は「別居をやめて同居を回復するまで」または「離婚成立の日まで」のいずれかです。よって、離婚問題が解決するまでは支払義務が続くということです。




婚姻費用分担を定めるときの
書類作成


別居に伴い発生する婚姻費用分担を夫婦間で取り決める書類です。婚姻費用分担の合意書には、婚姻費用分担金の支払い義務、金額などを条項として記載します。


作成するのは婚姻費用分担に関する合意書

婚姻費用を分担する義務は婚姻関係から生じますが、別居後に婚姻費用が支払われない場合には相手方へ請求することが重要です。通常は婚姻費用分担に関する合意書だけを作成するのではなく、先述したとおり、別居に関する合意書を作成します。別居に関する合意書の方が必要な条項が揃っているからです。


別居に関する合意書に記載する条項が少なく、ほぼ婚姻費用分担がメインであり、離婚の成立が近い場合には婚姻費用分担に関する取り決めだけをすることがあり、このような場合には婚姻費用分担に関する合意書を作成することになります。


なお、婚姻費用分担金に関する取り決めをすでにしており、後日に変更する場合は、婚姻費用分担金の変更に関する合意書を作成します。調停や審判によって婚姻費用分担金の増額や減額を求める場合には、収入の変動など、取り決め後の事情の変更が重要になります。


民法
(婚姻費用の分担)第七百六十条 
夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。




同居を回復するときの
書類作成


別居している夫婦が、同居を回復する場合に作成する書類です。同居を回復して夫婦関係を再構築するにあたり、必要な取り決めをしておきます。


作成するのは婚姻継続の合意書

家庭裁判所に、同居を求める調停や審判を申立てすることはできますが、同居義務の強制はできないため、夫婦で合意できた場合に同居を回復できるといえます。


婚姻継続の合意書に記載する条項は定型ではありません。別居の解消を冒頭に記載したあとは、夫婦で合意できた内容を条項にします。とはいえ、何について定めればよいかわからないことも少なくありません。当事務所にご依頼の場合、しっかりフォローいたしますのでまずはご相談ください。




事実婚契約書の作成


事実婚とは、法律婚のように婚姻届は出さないものの夫婦同様の関係を保つことです。そして、事実婚契約書は、共同生活に関する当事者間の権利義務を明確にし、法律婚との違いから生じる問題に備えることを目的とします。


事実婚自体が法律上で明文化されていないため、事実婚を解消することになった際には紛争になることが考えられますが、事実婚契約書を締結しておくことで先回りすることができ、紛争防止にも有用といえるでしょう。


事実婚契約書に記載する主な条項は以下のとおりですが、当事者の希望により条項を追加することも可能です。また、状況によっては遺言書も作成しておく必要があります。遺言書作成のページはこちらからご覧ください。


  1. 同居義務
  2. 相互扶助
  3. 日常家事代理権
  4. 貞操義務
  5. 医療時の意思確認等
  6. 子の認知
  7. 契約解除
  8. 財産分与

※事実婚契約書は、当ページタイトルである男女「問題」ではありませんが、便宜上、当ページに記述しています。




夫婦財産契約書の作成


夫婦財産契約書とは、婚姻前に双方の特有財産を明確にし、婚姻後の「財産制」に関する取り決めをしておくものです。よって、婚姻届を提出する前に作成しておく必要があり、婚姻後に変更できません。


通常、婚姻前から所有している財産は特有財産となります。ただし、婚姻中にその財産の維持や増加について配偶者の寄与があった場合には、離婚時の財産分与でその寄与が考慮されることがあります。夫婦財産契約書を作成して財産の帰属や管理方法などを明確にしておくことは、将来の紛争予防にも役立ちます。


当事務所は後述する「婚前契約書」とは区別して受任・作成しています。婚前契約書は夫婦財産契約に加えて、その他の内容も条項にして作成するものですが、夫婦財産契約書はその名のとおり夫婦財産に関することのみを条項にして作成します。


なお、法定財産制と異なる財産契約(特有財産を共有財産とするなど)をする場合、婚姻届出までに登記をしなければ、夫婦の承継人や第三者に対して対抗できません。夫婦財産契約書に記載する主な条項は以下のとおりです。


  1. 双方の特有財産
  2. 共有財産
  3. 婚姻後の金銭貸借
  4. 婚姻費用の分担

※夫婦財産契約書は、当ページタイトルである男女「問題」ではありませんが、便宜上、当ページに記述しています。




婚前契約書の作成


婚前契約書とは、先述した夫婦財産に関する取り決めに加えて、家事の分担、債務の負担、離婚した場合の取り決め、相続に備えた事項などを、法令上認められる範囲であらかじめ記載する書類です。


海外ではプレナップといい、セレブを中心に作成することが多いですが、日本では、婚姻前に離婚に至ったときのことまで考えて作成することは稀だといえます。


なお、法定財産制と異なる財産契約(特有財産を共有財産とするなど)をする場合、婚姻の届出までに登記をしなければ、夫婦の承継人や第三者に対して対抗できません。婚前契約書に記載する主な条項は以下のとおりですが、当事者の希望により条項を追加することも可能です。


  1. 成立要件
  2. 家事等の分担
  3. 財産開示
  4. 特有財産
  5. 共同で形成する財産(合有)
  6. 共有財産
  7. 婚姻費用の分担
  8. 債務の負担
  9. 婚姻の解消
  10. 相続に備えた取り決め

※婚前契約書は、当ページタイトルである男女「問題」ではありませんが、便宜上、当ページに記述しています。